ルーブル・アブダビは、11のギャラリーに分かれています。
それぞれのギャラリーにはどういう時代のものが展示されているのか、詳しく見てみましょう!

(各ギャラリーの説明は、ルーブル・アブダビのマルチメディアガイドの解説を元に書き起こしました。-新谷)

ギャラリー1 村が生れた The First Villages

約1万年前、まだ人類のほとんどが狩猟・採集生活を送っていたとき、最初の村がレバントからメソポタミアにまたがる地域に出来ました。そしてそれは徐々に中国やアメリカ大陸へと広がっていったのです。定着した人々は、農業や畜産をするようになります。これを新石器革命と呼びます

ギャラリー2  権力の始まり THE FIRST GREAT POWERS

紀元前4000年紀に、人類の歴史は大きな展開を経験します。メソポタミアの南や、世界のいくつかの地域に初めて都市が形成されるのです。文字による記録が始まり、国家権力が生まれます。馬は家畜化され、軍隊に使われ、ユーラシア大陸のあちこちに興った大文明では軍事力が蓄積されていきます。そのような時代背景の中で、とりわけ冶金技術を核とする芸術、手工芸活動が盛んになります。

ギャラリー3 文明と帝国 CIVILIZATIONS AND EMPIRES

紀元前4000年紀に、人類の歴史は大きな展開を経験します。メソポタミアの南や、世界のいくつかの地域に初めて都市が形成されるのです。文字による記録が始まり、国家権力が生まれます。馬は家畜化され、軍隊に使われ、ユーラシア大陸のあちこちに興った大文明では軍事力が蓄積されていきます。そのような時代背景の中で、とりわけ冶金技術を核とする芸術、手工芸活動が盛んになります。

ギャラリー4 世界宗教 THE UNIVERSAL RELIGIONS

ユニバーサルな宗教のひとつである仏教は紀元前5世紀にインドで興り、キリスト教は4世紀にローマ帝国の国教となりました。アラビア半島でイスラム教が生まれたのは7世紀です。これらの世界宗教は一定の共通な原則を持ち、人間社会の形成と発展に大きな影響を与えるようになりました。そして芸術的な作品も、宗教的な側面を強く備えるようになっていきます。

ギャラリー5 アジア、貿易の道 THE ASIAN TRADE ROUTES

5世紀から15世紀にわたり、アジア大陸では陸のシルクロード、海のシルクロード(インド洋航路)を通じて、交易が盛んになります。中国とイスラム世界はその中心地でした。各種原材料、工芸品、織物、金製品、香料はその中でも交易品の代表格でした。そして、この道を通って伝わったのは、商品だけではありません。思想、技術、工芸技法も伝わり、イスラム世界とヨーロッパの芸術は、その大きな影響を受けることとなりました。

ギャラリー6 地中海から大西洋へ 
FROM THE MEDITERRANEAN TO THE ATLANTIC

およそ千年の間、地中海を中心とする世界は、ビザンチン(東ローマ帝国)とイスラム世界によって支配されました。2つの文明は、政治的にも宗教的にも敵対していましたが、イスラム帝国によって支配されたイベリア半島を通じるなどして、文化の面では大きな影響を与え合いました。ヨーロッパでは、最初の金融市場もできました。
しかし、そうした時代は15世紀後半になって終わりを告げます。新大陸が発見され、アフリカの海岸線の探検も始まり、新たな時代の幕開けが宣言されるのです。

ギャラリー7 国を想う   THINKING THE STATE

15世紀から18世紀にかけて、人とモノ、そして思想の往来はますます盛んになって行きます。中国の陶磁器は、ヨーロッパ、アメリカだけでなくイスラム世界でも大いにもてはやされます。誰もが、それを真似るようになり、間もなく、そのモチーフは西方世界の美学に強い影響を残すこととなるのです。ヨーロッパでは中国の人間についての考え方が注目され、自然主義があらゆる芸術の上に反映されるようになりました。古いことは美しい、と考えられた時代でもあります。

ギャラリー8 グローバル化の始まり Early Modern Globalsation

Interior decoration with an Allegory of Nobility

17世紀以降、正装した肖像画、特に王室の肖像画は権力を喧伝する上で重要な役割を果たすようになります。この現象はほぼ世界のすべての宮廷に共通しています。そして、その家来や豪商なども、美術的価値の高い絵画や工芸品を収集して、その人格を誇示するようになります。装飾豊かな武器や甲冑は、それを身に着ける肖像画の主の自尊心をくすぐる存在でした。

ギャラリー9 身近になった新芸術 A NEW ART OF LIVING

18世紀になると、世界各地に貿易の中心地ができ、そこではブルジョア階級が育ち、個人主義に基づく豊かな生活が楽しまれるようになります。芸術や技術も進化を遂げ、現代科学の基礎を提供するようになります。しかしこの時代は、同時に政治、社会・経済が激動する時代でもありました。この時代の芸術家は、この動乱への恐怖を今に伝えています。このため、より厳格な表現へのアプローチが好まれ、新古典主義が生まれました すぐる存在でした。

ギャラリー10 世界は現代に? A MODERN WORLD?

19世紀には、産業革命がピークを迎えました。鉄道をはじめとする様々な技術が生まれ、社会の産業化が進みました。その社会が生み出した労働者階級は、ロンドンやパリといった大都市に居住し、現代を牽引する勢力となります。最初の万国博覧会が開かれ、ヨーロッパの人たちはエキゾチックな文化に触れることができました。情景を瞬時にして切り取ることのできる写真の発明は、画家たちに強烈な影響を及ぼすことになります。

ギャラリー11 現代性とは MODERNITY IN QUESTION

The Submissive Reader

20世紀になると、2つの世界大戦が起こり、その後の植民地独立の動きもあって、西欧一辺倒の価値観が崩れていきます。世紀の前半は、パリで前衛芸術が流行しました。しかし、芸術家たちは戦争で荒廃したヨーロッパから新天地アメリカにその活動の場を求め、ニューヨークはあっという間に世界の芸術の都となりました。そして20世紀の欧米の芸術家たちは、世界中の創造物からヒントを得るようになりました。

大玄関 Grand Vestibule

床に描かれたアラブ首長国連邦の海岸線には、いろいろな言語で地名が書き込まれています。展示物がやってきた先の多様性に注目してください。人類の存在を横断するユニバーサリティを発見する旅に、さあ、出かけましょう